ID 05011
部門 茶器
道具名 破笠細工六角茶器 小堀宗慶箱
価格 3,600,000円
説明 「破笠細工」とは、江戸中期の漆芸家、小川破笠が生み出した蒔絵に陶片や堆朱、牙や角などをはめ込んだ漆器細工のことである。「笠翁細工」とも呼ばれ、その独特な技法と中国風の意匠は、当時の人々に好評を博した。死後も破笠の人気が衰えなかったため、破笠が作品に入れていた小さな四角形の陶器製の銘「観」も含め、その作風が「破笠細工」として確立され西欧へ輸出された。本作は、破笠の作風を写した江戸後期の六角茶器であろう。六面に高蒔絵であしらわれた立葵・朝顔・沢瀉・夕顔・菊・蔦の図柄が配され、その周りを唐物風に玉緑で緑取り、茶器としては珍しい作風に仕上がっている。またそれらの草花文には、貝や錫、そして白、緑、赤、黄などの陶片が嵌入され、黒塗りされた素地と相まって鮮やかな彩りを見せている。玉緑の外は銀地が施され、蓋上面は愛らしい鶴と中国風の瑞雲が描かれた品の良い逸品である。また遠州流十二世・小堀宗慶の箱書のとおり、名古屋の繊維問屋で数寄者として知られる中村貫之介の旧蔵品。
写真
TOP