ID 06473
部門 水指
道具名 備前葛桶形水指了々斎狂歌直書 即中斎書付
価格1,500,000円
説明 古備前葛桶水指
了々斎詩 
箱書
即中斎・藤井誡堂・住山楊甫

千代能がいとつく桶の 底抜けて 
この水さしに 月ぞのこれり

古備前の葛桶形水指です。
筒形の胴に耳を添えた姿は力強く、
古備前らしい焼き締めの肌には、
長い時を経た土味と侘びた景色がよく表れています。
表面には朱漆にて、了々斎による詩が記されています。

記された詩は、鎌倉時代の千代能にまつわる「底脱け」の
歌を踏まえたものです。
千代能が井戸の水を汲もうとした際、
桶の底が抜け、水面に宿っていた月も消えたという逸話は、心の執着が解け、
悟りに至る境地を表すものとして伝えられています。

本作では、その物語を、
底の抜けた桶に見立てた葛桶形の水指に重ねています。
本来、水を湛えるべき器でありながら、
そこに「底脱け」の故事を託すことで、
水指そのものが禅味を帯びた一つの見立てとなっています。

枯れた古備前の肌に、朱の文字が静かに浮かび上がり、
土の景色と詩の世界が一体となった味わい深い作品です。
即中斎の箱書、さらに藤井誡堂の箱書が添えられており、
茶の湯における伝来と賞玩の深さをうかがわせます。
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