ID 06497
部門 水指
道具名 姥餅焼 信楽小水指
価格120,000円
説明 姥ヶ餅焼は、近江国栗太郡草津、
現在の滋賀県草津市に伝わる焼物です。
草津は東海道と中山道が合流する宿場町として栄え、
名物菓子「姥ヶ餅」でも知られました。
姥ヶ餅焼は、その姥ヶ餅を盛る器、
いわば餅皿に由来する焼物とされています。

創始の時期については、元文年間から宝暦年間、
すなわち18世紀中頃とされる説がありますが、
詳しい年代には不明な点も残ります。
現存する古い作例としては、
明和3年(1766)の箱書をもつ布目素焼の
小皿が知られており、
当初は草津名物の菓子とともに用いられる
実用の器であったことがうかがえます。

その後、姥ヶ餅焼は餅皿や湯呑だけでなく、
茶碗、水指、香合、菓子器など、
茶の湯の道具も焼くようになります。
信楽の土味を生かした素朴な作風が特徴で、
荒い土肌、自然な釉流れ、
焼締風の力強い景色などに見どころがあります。
茶陶としては、信楽焼の侘びた趣を受け継ぎながら、
草津という土地の名物性を背景にもつ点が魅力です。

本作のような信楽小水指も、
そうした姥ヶ餅焼の茶陶としての展開を示すものです。
荒土の肌に釉が流れ、
素朴でありながら茶席にふさわしい景色を備えています。
土地の名物から生まれ、
茶の湯の器へと広がった姥ヶ餅焼の性格が
よくあらわれた一作といえるでしょう。
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